コラム  呪いが花盛り?

 いつの世も、権力欲にかられた人間はいる。
 その欲を手に入れる方法として、手っ取り早い手段といえば、敵対する相手を、力でねじ伏せること。その最たる時代が戦国の世で、歴史はそんな人物たちの権力争いを学習しているようなもの。
 しかし、平安時代はちと違ったそうじゃ。
 天皇と貴族が世を治める雅(みやび)な時代に、武力で血を流すことは嫌われたそうな。そこで、邪魔者を消す方法として用いられたのが、
「呪い・・」
 だそうな。
 その担い手に、陰陽師(おんみょうじ)と言われる人たちがいたという。
 娘を天皇に嫁がせ、権力をほしいままにしていた藤原道長も、常にその座を狙う者から、呪いの標的にされていたそうじゃ。
『宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)』に、こんな話がある。
 法成寺(ほうじょうじ)の参詣を日課としていた道長が、白い犬を連れて寺の門をくぐろうとしたとき、犬が道長の前に立ちふさがったそうな。さらに、着物をくわえて引っ張り、寺に入ることを阻止しようとした。
 おかしいと思った道長が、陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)に占ってもらったところ、呪いをかけた物が境内に埋められていたという。
 呪いを実行するのも陰陽師なら、阻止するのも陰陽師。
 この時代に暗躍した職業の1つとなれば、いかに呪いが政敵を滅ぼす常套手段であったかがわかるというものじゃ。
呪い

陰陽師 螢火ノ巻 (文春文庫) [ 夢枕 獏 ]

価格:626円
(2017/8/17 22:37時点)



コメント

非公開コメント